求人票はある程度のフォーマットが決まっているために他社と差別化することが難しいですよね。
必要項目を埋めているだけでは「他社と何が違うの?」と思われてしまい、結局お給料や福利厚生で比較されてしまって、体力のある企業に負けてしまう…ということになってしまいます。
この記事では、 自社の魅力を的確に伝え、求職者の心をつかむ求人票の作り方 を具体的なNG例や改善例を交えながら解説します。これを読めば、他社と差別化できる求人票の作成方法がわかります!
【このシリーズを読んでほしい人!】
・もっと魅力的な求人票を作りたい人事担当の方
・他社とは違う求人票を作りたい人事担当の方
・「いい人」が集まる採用の仕組みをつくりたい経営者、人事担当の方
・「本質的な採用活動」の仕組み作りをしたい人事担当の方
【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・求職者に魅力が伝わる求人票の作り方がわかる
・他社と差別化できる求人票の作り方がわかる
・埋もれてしまう求人票の具体例がわかる
・採用活動の質が向上し、選考遷移率等の改善に役立つ
目次
求職者が最も知りたい情報は「仕事内容」
採用サイトと同様に、求人票で最も重要な要素は「仕事内容」です。求職者は、自分がどのような役割を担うのかを明確に知りたいと考えています。
魅力的な求人票の正解は企業や求職者によって異なりますが、「応募したくなる求人票」に欠かせないポイントは共通しています。一方で、応募意欲を下げてしまうNG求人票にも一定のパターンが見られます。
魅力が伝わらない求人票の共通点
求人票をアレンジする前に、職業安定法で決められている求人票の必須項目とNG項目について確認しておきましょう。
基本を確認したところで、私が見たり自分でもやってしまったりしたNG求人票についてお伝えしていきます。
共通点①:求人票に掲載する業務の幅が広すぎる
みなさんはこのような求人票を見て、どのように感じますか?
【業務内容】
・採用業務(新卒/中途)
・労務業務(社会保険手続き、給与計算、勤怠管理、入退社手続き等)
・人材開発、組織開発
・株主総会の運営サポート
・社内書類作成、管理
・その他一般事務
このような例を見た求職者は、次のように感じる可能性があります。
・「何でもかんでもやらされるのかな…」
・「人事担当者が少ないんだろうな…」
・「一つ一つの業務を追求する時間は無さそう…」
と思えます。
改善のポイント
何でもかんでも幅広く業務をすること自体は、それを魅力に感じる人もいるのでネガティブな情報ではないのですが、幅広く携わるからこその魅力も同時に伝えないと「やらされる感」が出てしまいます。
「まずは出来ることから始めてもらいたい」というつもりで、配属予定の業務を全部書いてしまうのではなく、どういう経験を持った人に見てもらいたいのかを念頭に置いて業務内容を精査してください。
共通点②:求人票に掲載する給与レンジが広すぎる
給与額も同様に、幅が広すぎる求人票を見かけることがあります。
年収:400万円~800万円
※経験、能力等に応じて個別に決定します。
年収400万円の人と年収800万円の人とでは、任せたい業務が絶対に違いますが、同じ求人票に書いてしまうことで、求職者が業務を想像しにくくなってしまいます。
改善のポイント
給与レンジを評価制度に落とし込んだ際、求めるレベルが異なってくると思いますので、(例:マネージャー・リーダー・若手クラス)という形で求人票を分けて作ってください。あわせて、各ポジションで業務内容や求めるレベル感も求人票ごとに作成することをお勧めします。
共通点③:求人票を読んでもワクワクしない
先ほどの2点を注意して次のような求人票が出来ました。
【業務内容】
・新卒・中途採用戦略の策定と実行
・採用イベントやインターンシップ等の企画、運営
・社内制度の改善、企画立案
【アピールポイント】
最初は新卒採用をご担当いただき、慣れてきたら労務などの業務もご担当いただきます。将来的に管理職も目指せます。
【年収】
400万円~500万円
【応募条件】
・人事採用業務の経験あり
・人と話すことが好き
以下、福利厚生など条件面の記載が続く…
こちらの求人票を読んで「ぜひ入りたい!楽しそう!」と思えたでしょうか?または、どのような人がこの求人票を読んでワクワクしてくれそうでしょうか?
給与レンジを見る限り、若手クラスを募集しているようです。
新卒採用から始めるということは、恐らく人事業務の経験が浅いor初めての人を想定しているかもしれない…と思いましたが、応募条件は「人事採用の経験者」です。
採用から入り、慣れたら労務の仕事を任せると記載があるので、採用以外の仕事が任せられそうです。ただ、採用業務経験者なのに、わざわざ労務業務をする可能性がある本求人に応募してくるのはなぜでしょうか?労務がやりたければ、社内異動または最初から労務業務を任せてもらえる企業を選べばよいと思います。
…というような形で、応募者のペルソナが不明瞭になっています。
自社が今回の求人で求めているのは、現在どのような企業で、何を担当していて、どういう課題感があるから転職しようとしているのか、というところを明確にした上で、その人の課題感を自社でなら解決できるという書き方にしないと、ワクワクする求人票にはならないと思います。
以上をふまえて、私がワクワクする求人票に作りかえてみます!
【改善例】応募者のペルソナに基づく求人票作成
応募者ペルソナ例:転職を検討中の若手人事担当者
・老舗企業で新卒から4年間人事として採用、労務、育成と幅広く携わる
・人事としての基本は学べたが、新しい取り組みにもっとチャレンジしたい
・ベンチャー企業の人事をやってみたい
求人票:改善版
【業務内容】
新入社員が早期戦力になるように、採用目標の立案から戦略、面談・面接、オンボーディングまでをお任せできる方を探しています。
◆中途・新卒採用
・採用計画の定量・定性分析
・リファラル・ダイレクトリクルーティングツールの選定・運用
・面談・面接設計・実施
◆オンボーディング
・1on1制度設計・実施
・オンボーディングフローの設計
【アピールポイント】
組織は1→10のフェーズで、日々成長する組織の土台を作っていくタイミングです。HR Techツールも取り入れながら、働きがいのある組織作りに携わっていただけます。
【年収】
400万円~500万円
【応募条件】
◆必須 ※下記いずれかのご経験のある方
・採用実務経験2年以上
・人材紹介会社または求人媒体会社での営業経験
◆歓迎
・採用以外(制度運用・労務)実務の経験
・ダイレクトリクルーティングのご経験
・オンボーディング業務のご経験
以下、福利厚生など条件面の記載が続く…
求人票作成のコツ:応募者ジャーニーを想像しよう
求人票は、企業と求職者をつなぐ最初の接点です。どのような人材に応募してほしいのか、その人が抱える課題やキャリアの目標を考え、それに応える内容を盛り込むことが重要です。
以下のポイントを押さえて、応募者が「自分にピッタリだ!」と思える求人票を作成しましょう。
- ・自社の強みやユニークポイントを具体的に伝える
- ・ペルソナを明確に設定する
- ・応募者がワクワクする内容を盛り込む
まとめ
NG求人票によく見られる共通点3点をお伝えしてきましたが、全てを通して言えることは「応募者ペルソナが明確になっておらず、求人票を見てどこにワクワクしてもらいたいのか」が不明瞭になっているということです。
同じ年齢・経験をしてきた人であっても、その人の価値観やキャリア志向によって自社に合う合わないがあることと同様に、同職種であっても魅力を感じる人は異なります。
求人票を作る際は、ぜひ応募者ジャーニーを想像しながら作成してみてください!
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