

「中途採用を成功させる秘訣は、むしろ“採用後”にある」
多くの企業は、採用が成功すると「やった、採用決まった!」と安心してしまいがちです。そこから先の具体的なオンボーディング施策が手薄になると、人材は「期待と違う」「なんだか思っていたのと違うかも」と感じてしまいます。
私が実際に現場で見てきた経験を踏まえると、中途採用を成功させるには、入社前から入社後半年・1年先までを意識した“シームレスなオンボーディング計画”が必要不可欠です。そして、さらに一歩踏み込むなら、ベンチャー独特の“ラテラルシンキング”を取り入れることで、オンボーディングが単なる受け入れ対応を超え、「新たな価値創造の場」へと変貌します。採用後の定着率が悪いと思う、人事担当者や経営者の方はご一読していただけると幸いです。
【このシリーズを読んでほしい人!】
・ベンチャー企業の経営者、人事担当者
・ベンチャー企業で中途採用者のオンボーディングに関わるリーダーやマネージャー
・採用活動の質の向上を考える人事責任者
【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・中途採用者が組織にスムーズに適応し、早期にパフォーマンスを発揮できる環境を構築するアイディアが得られる
・ベンチャー企業におけるオンボーディングの重要性がわかる
・ラテラルシンキングを取り入れたオンボーディングが学べる
目次
- オンボーディングを成功させるための基礎概念
- 200社以上支援して見えてきた、よくあるオンボーディングの失敗パターン
- 成功の鍵を握る“段階的”オンボーディングプラン
- オンボーディングを“継続的価値創造プロセス”と捉える新たな発想
- ラテラルシンキングを活用した斬新なオンボーディング施策
- 組織カルチャーを“内製”するための実践アイデア
- 取り組みやすいオンボーディング施策例
- 心理的側面へのアプローチ
- 既存社員と新入社員が共創するオンボーディングプラン
- 筆者が体験した“ベンチャー成功事例”と“苦い失敗事例”
- 人事課題でお悩みならすごい人事パートナーへ
- まとめ
オンボーディングを成功させるための基礎概念
オンボーディングとは何か?

一般的にオンボーディングとは、新しく入った社員が会社の文化や業務プロセスを理解し、スムーズにパフォーマンスを発揮できるようサポートする一連の取り組みを指します。海外では「組織社会化」とも呼ばれ、新入社員がいち早く“組織の一員”として機能できるようになるためのプロセスと定義されます。
ベンチャー企業特有のオンボーディング課題
ベンチャー企業には、以下のような課題が顕著に見られます。

- ・時間と人的リソースが不足しがち
急成長に忙殺され、人事部門も多くは少人数。専任のオンボーディング担当を置けないことが少なくありません。 - ・組織やプロダクトが流動的
定期的な事業転換や方針変更が起こるため、常に“今”の状態に合わせてオンボーディングをアップデートしなければならない。 - ・即戦力としての期待が高い
「とにかくすぐに成果を出してほしい」という経営者の想いが強く、入社後のケアがおろそかになる危険性がある。
これらの要因が重なると、せっかく優秀な人材を採用しても定着しなかったり、期待通りの成果を出す前に離職してしまうリスクが高まります。私は支援先で、中途入社者の離職率が50%を超えるといった深刻なケースにも立ち会ったことがあります。その大きな要因の一つが、不十分なオンボーディングだったのです。
従来の“定型的なオンボーディング”と“ラテラルシンキング”の融合
通常、オンボーディングは「座学研修→現場OJT→フォローアップミーティング」のように、直線的・階段的に進められることが一般的です。しかしベンチャーの世界は変化が速く、定型化された手順だけでは対応しきれません。
そこで有効なのがラテラルシンキング。
「固定観念に縛られず、横方向の発想で問題を解決する」という考え方です。ベンチャーのカルチャー変革や業務プロセスのイノベーションにも通じるこのアプローチをオンボーディングに取り入れれば、単なる“作業”ではなく、“新しい価値創造”の始まりにできるのです。
200社以上支援して見えてきた、よくあるオンボーディングの失敗パターン
ここでは私が実際に多くの企業で見聞きしてきた、典型的な失敗事例を紹介します。おそらく「うちもそんな感じかも…」と思われる経営者・人事担当者の方は多いでしょう。

採用時点で燃え尽きる「採用後の準備不足」
- 事例:あるベンチャー企業は、営業職を強化するために中途採用で優秀な人材を採用。しかし入社初日、肝心のPCが支給されておらず、名刺も作成途中。初日どころか1週間経っても営業に行ける体制が整わず、本人のモチベーションが大幅ダウン。
- 原因:採用活動に全リソースを割いた結果、入社後の受け入れ準備(アカウント発行や業務ツールの手配、書類手続きなど)が後手に回る。
組織文化・価値観の共有不足から生まれる早期離職
- 事例:事業拡大期にITベンチャーへ入社したエンジニア。前職のやり方で仕事を進めたところ、経営者が重視する「スピード最優先」の社風と合わず摩擦が生じ、3ヶ月ほどで退職。
- 原因:入社初日にミッション・バリューを説明する時間はあったものの、継続的なカルチャー共有や対話の場がなく、「前職のやり方で大丈夫だろう」と本人が思い込んでしまう。
明確な目標設定とフィードバック体制の欠如
- 事例:入社後すぐにプロジェクトリーダーを任された中途採用者が、「どこまでやれば良いのか」「何を目指せば良いのか」が曖昧なまま業務を進め、結果的に空回り。周囲からは「なんだか期待外れ」と思われ、本人もストレスを抱えて退職意向に至る。
- 原因:短期間での成果を求めるあまり、具体的なKPI・KGIの設定や進捗レビューがないまま、現場任せになっていた。
成功の鍵を握る“段階的”オンボーディングプラン
失敗パターンを踏まえ、私が200社以上を支援する中で培ったのが「段階的オンボーディングプラン」です。これは、入社前から6ヶ月・1年先までを見据えて、フェーズごとに施策を落とし込むアプローチです。

ステップ0:入社前の事前準備を徹底する
- ・業務環境の整備
PC・システムアカウント・名刺・座席など、初日から業務に集中できるよう手配。 - ・周囲へのアナウンス
チームメンバーや関係部署に「誰がいつ入社するか」を通知し、歓迎の準備を整える。 - ・事前情報提供
入社前に会社のビジョン、事業内容、組織構成、使用ツールの概要などを共有。可能なら軽いオンラインミーティングで顔合わせもする。
ステップ1:入社初日における重要アクション
- ・ウェルカムミーティング
社長や役員が直々に歓迎の言葉を伝える。チームリーダーやバディ(後述)も同席すると効果的。 - ・社内オリエンテーション
会社のミッション、バリュー、組織図、主要プロダクトの概要を説明。 - ・バディ・メンターの紹介
業務面とカルチャー面それぞれで頼れる先輩をはっきりさせる。
ステップ2:入社後1週間以内での施策
- ・目標・期待値のすり合わせ
「入社後1〜3ヶ月でどんな成果を期待しているか」を具体的に示し、本人にも目標設定を促す。 - ・チームビルディング
ランチや1on1で周囲とのコミュニケーションを深める場を意図的につくる。 - ・ツール・システムの習熟
社内で使う業務ツールの使い方をレクチャーする時間を確保。
ステップ3:入社後1ヶ月以内のフォロー体制
- ・進捗確認・フィードバック
上司との1on1を定期的に設定し、業務の方向性や課題を早期に調整。 - ・カルチャーフィットの確認
「会社のバリュー・行動指針と合っているか」「やりづらさはないか」をすり合わせる。
ステップ4:入社後3ヶ月以内での本格的目標達成
- ・短期プロジェクトの完遂
何かしら“目に見える成果”を出し、本人のモチベーションを高める。 - ・エンゲージメント強化
定期的な社内イベントや勉強会への参加を促し、組織の一員としての帰属意識をさらに高める。
ステップ5:入社後6ヶ月以内での評価・昇給サイクルの明確化
- ・人事評価プロセスの説明
組織全体の評価サイクルと照らし合わせ、昇給や役職などの可能性を明確に。 - ・長期的キャリアプランを検討
入社後半年を振り返りつつ、「今後どうキャリアアップしていくか」を本人と合意形成する。
私の支援先企業では、上記のステップを詳細にマニュアル化し、各ステップをチェックリストで管理するようにしています。もちろん人材のレイヤーや業種業態でカスタマイズは必須ですが、ひとまず「どの時期に何をすべきか」が明確になるだけで、オンボーディングに漏れや抜けが激減します。
オンボーディングを“継続的価値創造プロセス”と捉える新たな発想
“再オンボーディング”という考え方
多くの企業では「オンボーディング=最初の1〜3ヶ月で完了」と考えます。しかし、ベンチャーの場合は組織変更、事業ピボット、大型資金調達などの節目で、大きく体制が変わることもザラ。そのたびに、既存社員も含めて再オンボーディングを行う発想が重要です。
“オンゴーイング”視点での改善サイクル
オンボーディングを「完結するイベント」と捉えるのではなく、“オンゴーイング”なプロセスとして、定期的に見直すことが大切です。四半期ごとに「新入社員の声」「既存社員の声」を集め、制度やプロセスを柔軟にアップデートしていく。
これにより、いつ新しい人材が入ってきても“常に”最適化されたオンボーディングが機能する組織が出来上がります。
ラテラルシンキングを活用した斬新なオンボーディング施策
ここからは、より一歩踏み込んだラテラルシンキングを取り入れたオンボーディング事例を紹介します。私自身、支援先でこうした試みを実行するたびに「思いもよらない成果が出た!」という経営者の喜びの声を聞いてきました。

①部門横断“影武者体験”プログラム
- 内容:新入社員が配属先だけでなく、他部署のミーティングや業務にも帯同(“影武者”として傍らで観察)し、短期間で会社全体の動きを俯瞰する。
- メリット:
- 会社の全体感を早く掴める
- 異なる部門の視点を取り込み、自分の業務にクリエイティブなアイデアを活かせる
- 部署間の人脈形成がスムーズになる
②ジョブローテーション×カルチャーローテーション
- 内容:一定期間、別の職種・部署の仕事を体験させる「ジョブローテーション」だけでなく、各部署が持つ独自の“ミニカルチャー”を体験できるプログラムを設計。
- メリット:
- 自社内の多様性を肌で感じられる
「自分の部署の当たり前が世間の当たり前ではない」ことを知り、柔軟な思考が育つ - 連携のしやすい組織風土が生まれる
- 自社内の多様性を肌で感じられる
③外部コミュニティとのハイブリッド接続
- 内容:オンボーディング期の社員を、外部の勉強会やコミュニティにも積極的に参加させ、社内外の視点を融合させる。フリーランスや他社ベンチャー人材との交流の場を用意。
- メリット:
「わが社の常識」を疑うきっかけが得られ、ラテラルな発想が育ちやすい- 社内だけでなく、広く業界トレンドやネットワークを吸収できる
④データドリブンなオンボーディングとゲーミフィケーション
- 内容:データドリブンアプローチ
- 入社後の各フェーズでのアンケートやKPI進捗を可視化し、経営陣・人事部がリアルタイムに把握して迅速にフォローできる仕組みを導入。
- 内容:ゲーミフィケーション
「入社後1週間以内に○○を達成したらバッジ獲得」などのゲーム要素を加えることで、学習や業務習熟を楽しく促進する。 - メリット:
- データに基づいた客観的な評価と、ゲーム要素による競争や協力の要素を取り入れることで、チームワークを強化し、コミュニケーションを活性化させられる
⑤リバースメンタリングによる双方向学習
- 内容:新入社員が、経営層や管理職に対してメンター役を担うシステム。とくにデジタルネイティブ世代の社員が持つSNSや新興サービスの知識を活かし、逆に上司を“教育”する立場になる。
- メリット:
- 新入社員は入社直後から組織に貢献できると感じ、当事者意識が高まる
- 経営層も若い世代のトレンドやツールを学べる機会になり、組織全体のアップデートが進む
組織カルチャーを“内製”するための実践アイデア
ベンチャーの成長において、組織カルチャーは非常に重要な要素です。しかし「口先だけでミッションやバリューを唱えている」状態に陥る企業も少なくありません。以下は、カルチャーを“内製”し、新入社員にも深く根付かせるための取り組み例です。
①カルチャーセレモニーや儀式化の試み
- 内容:
既存社員・新入社員問わず、「自分がどの行動で会社のバリューを体現したか」を共有するライトなセレモニーを四半期ごとに“カルチャー共有会”を行う。 - メリット:
- 組織文化への理解を深めるきっかけになる
- 成功事例や挑戦、学びを共有することで、従業員同士の連帯感や帰属意識を高めることができる
②入社1週間目の“試作品ピッチ”で当事者意識を育む
- 内容:新入社員が、入社初週で感じた疑問点や改善アイデアを簡単なプレゼンや文書で提出。
- メリット:
- 早い段階から「自分も発言していいんだ」と思ってもらえる
- 企業側も新鮮な視点を得られ、改善のきっかけを掴める
③コミュニティ・オブ・プラクティスを通じた知の共有
- 内容:エンジニア、デザイナー、マーケターなど、職種別・テーマ別コミュニティを社内で定期開催し、知見を共有する。新入社員も興味のあるコミュニティに自由参加できる。
- メリット:
- 社員同士が教え合う文化が自然に育つ
- 新入社員が孤立しにくくなり、社内での顔が広がる
取り組みやすいオンボーディング施策例
ここからは、「今すぐ導入できる」施策をもう少し具体的に掘り下げます。前述のラテラルシンキングなアイデアと合わせて、自社に合うところから取り入れてみてください。

①バディ制度の拡張版:二重バディ制
- ・多角的な視点からサポート
業務面のバディ(同じ部署や職種の先輩)と、カルチャー・コミュニケーション面のバディ(他部署や総務・人事担当など)を二重に設定する。 - ・相談しやすい環境を整える
一人のバディだけではサポート範囲が限られがち。二人のバディがそれぞれの得意領域で新入社員をフォローすると、相談しやすい環境が整う。
②1on1ミーティングの頻度と内容設計
- ・週1回(または隔週)の定例化
特に入社直後は不安や疑問が多いため、短いスパンで実施。 - ・質問テンプレート
「今週の成果」「困っていること」「次週の目標」「リソースの要望」など、毎回の共通フォーマットを使うと会話が深掘りしやすい。
③オフライン×オンラインのハイブリッドコミュニケーション
- ・オフラインでのコミュニケーション
非言語的な情報伝達が可能で、深い共感や信頼関係を築きやすい。例:チームランチ、朝会、勉強会、オフィスツアーなど - ・オンラインでのコミュニケーション
時間や場所にとらわれずリモートワークでも気軽に関われる場を作る。例:Slackでの雑談チャンネル、オンライン懇親会、バーチャルオフィスなど
④KPI・KGIの明確化と短期・長期目標のセット化
- ・例:営業職の場合
- 短期目標(1ヶ月):顧客訪問数○件、商談化率○%
- 長期目標(6ヶ月〜1年):新規顧客数○件、月次売上○万円達成
- ・例:エンジニア職の場合
- 短期目標(1ヶ月):コードレビュー○回参加、既存システムのバグ修正×件
- 長期目標(6ヶ月〜1年):新機能開発○個リリース、チームリーダー補佐として○プロジェクト担当
このように定量化された指標を最初から提示することで、「期待されるレベル」を新入社員が正確に把握しやすくなり、モチベーション維持に効果的です。
心理的側面へのアプローチ

オンボーディングは業務知識やスキルの習得だけでなく、新入社員の“心理面”をどうサポートするかが非常に重要です。特にベンチャーのスピード感は新入社員の負担にもなりがちなので、以下のアプローチを検討してみてください。
心理的安全性をいかに早期に確立するか
- ・小さな成功体験の積み重ね
「ちょっとしたタスクを期限内に終わらせて褒める」「オンラインで社内報告し合う」など、些細な達成感をこまめに得られる仕組みをつくる。 - ・“ノー・ブレーム”文化の醸成
失敗を責めるのではなく、学びや再発防止策を共有する文化があると安心してチャレンジしやすい。
内省と対話の場づくりと匿名相談ツール
- ・内省会
新入社員同士や既存社員を交えた「今どんなことに困っているか、何を考えているか」をシェアする会を定期開催。 - ・匿名相談ツール
オンラインフォームやチャットボットなどを使い、直接言いづらい悩みを気軽に投稿できるようにする。
マインドセット転換:加入者から共創者へ
- ・問いかけの文化
上司や先輩が「どう思う?」「何が必要?」と常に問いを投げかけ、新入社員の意見を求める風土を作る。 - ・プロジェクトへの巻き込み
可能な限り早い段階で具体的なプロジェクトに新入社員をアサインし、当事者意識を持ってもらう。
既存社員と新入社員が共創するオンボーディングプラン
新入社員だけが学習・適応するのではなく、既存社員も新入社員から学び、お互いの視点を掛け合わせることが理想的なオンボーディングを実現する鍵です。

スイッチングインタビューで相互理解を深める
- 実施方法:新入社員が既存社員に「会社の歴史や苦労話、こだわりポイント」をインタビューし、既存社員は新入社員に「前職での成功体験や知見」を尋ねる。
- 効果:一方的に先輩が教えるだけでなく、新人から学ぶ姿勢を組織に根付かせることで、対等なコミュニケーションが促進される。
創発プロジェクトの設計と実行
- 実施方法:3〜4名の混成チームを作り、現場レベルの改善アイデアや新規施策を短期間で企画・発表する。新入社員と既存社員がペアになって動く。
- 効果:既存社員は新人のフレッシュな視点を取り入れ、新人は会社の事情やリソースを知る機会になる。コラボによって新たな価値が生まれやすい。
筆者が体験した“ベンチャー成功事例”と“苦い失敗事例”
私自身、200社以上の支援をしてきた中で、「オンボーディングがうまくいったケース」と「失敗してしまったケース」を数多く見てきました。ここでは特に印象的だった事例をいくつか紹介します。
社内カルチャーとオンボーディングが見事に噛み合った事例
- 事例:急成長中のSaaSベンチャーA社
- 背景:エンジニアを大量採用し、オンボーディングで社内の情報共有を徹底的に可視化。
- 具体策:Slackチャンネルを部門横断で統合し、専門コミュニティを立ち上げ。新入社員も即座に質問できる環境を整備。
- 成果:新入社員が「聞きたいことが聞ける」環境を得て、1ヶ月目から生産性高く動けるメンバーが続出。離職率も大幅に低下。
オンボーディングを軽視して痛手を負った事例
- 事例:BtoB向けサービスを提供するベンチャーB社
- 背景:営業部門を急拡大し、短期間で10名以上の中途入社者を採用。しかし入社後のフォロー不足が顕著。
- 問題点:目標設定が曖昧で、かつ新人同士の連携もまったく取れていない。質問先も不明確。
- 結果:2〜3ヶ月で5名が退職。結果的に採用コストが無駄になった上に組織内の混乱が拡大。
苦境を乗り越えた“再オンボーディング”の実践から
- 事例:C社はシリーズBの資金調達後、大量採用を行ったが組織内混乱で業績不調に。
- 対策:ベンチャーによくある“一度大きくなった組織をどうまとめるか”という課題に対して、新入社員だけでなく既存社員も含めてオンボーディングプログラムを再設計。
- 具体策:ラテラルシンキングを生かし、プロジェクトごとのリーダーと新入社員を交互に学び合う“リバースメンタリング”を導入。
- 成果:半年後には組織の再編成が進み、辞める人材がほとんど出なくなった。業績もV字回復。
人事課題でお悩みならすごい人事パートナーへ

ここまでオンボーディングの重要性と具体的な施策をお伝えしてきましたが、「実際にそれを回すリソースが足りない」「ノウハウが社内にない」という声が非常に多いのも事実。そこで一つの解決策として、弊社が運営する「すごい人事パートナー」の活用をご紹介します。
1,500名超のプロ人事の中から最適な人材をマッチング
「すごい人事パートナー」は、ベンチャー・スタートアップ支援に強みを持つプロ人事専門のマッチングサービスです。オンボーディング構築や採用戦略に長けた人材が多数在籍しています。
- 特化したスキルセット:オンボーディング研修設計やカルチャー構築の実務を得意とするプロが登録。
- 即戦力:何十社ものベンチャーを渡り歩いてきたプロ人事もおり、“明日から使える施策”をダイレクトに導入できる。
フリーランスや業務委託など柔軟な契約形態
ベンチャー企業の状況は千差万別。正社員人事をいきなりフルタイムで雇うのはリスクが高いという場合でも、週数日の業務委託やスポットコンサルなど、柔軟にアサイン形態を選べます。
- ケース例:
- 週2日契約:社員のオンボーディングプラン策定を中心にサポート
- スポットコンサル:月に数回ミーティングを行い、オンボーディングや採用施策をアドバイス
スピーディーな導入とラテラルシンキングを促す外部視点
ベンチャー企業は「今、すぐ」施策を実行したいケースが多いと思います。「すごい人事パートナー」なら、スキルセットや経験にマッチしたプロが比較的短期間で見つかり、そのままプロジェクトをスタートできます。また、外部の視点が入ることで、社内では思いつきにくいラテラルシンキングのアイデアが生まれやすくなる利点も大きいです。
まとめ
ベンチャー企業が中途採用を成功させるには、オンボーディングが核となります。即戦力を早期戦力化するための施策がなければ、優秀な人材でも組織に馴染めずパフォーマンスを発揮できないまま早期離職してしまいかねません。逆に、オンボーディングをしっかり設計することで、人材が定着し、スピーディーに成果を上げられる組織へと成長する可能性が大きく広がります。
オンボーディングを見直す7つのポイント
- 入社前の事前準備の徹底
- 入社初日からのウェルカム体制
- 1週間・1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月とステップを明確化
- フィードバックと目標設定の仕組み化
- カルチャーの内製化と組織活性化
- ラテラルシンキングの取り入れ
- 必要に応じて外部パートナーの活用
ラテラルシンキングがもたらす“新しい視点”
・新入社員だけでなく、既存社員にも学びがある
・オンボーディングが“継続的価値創造プロセス”へと進化
・結果的に組織全体の柔軟性とイノベーションが高まる
私自身、200社を超える支援で感じたのは、オンボーディングは採用活動の終着点ではなく、むしろ次なる成長のスタート地点だということです。ここを軽視するかどうかで、ベンチャー企業の成長カーブが大きく左右されるといっても過言ではありません。
もし今、「自社ではまだオンボーディングを体系的に整備できていない」「人事担当者が手一杯で手が回らない」「もっと斬新なアイデアがほしい」という場合は、ぜひ本記事で紹介したラテラルシンキングや継続的フォローアップの考え方を取り入れてみてください。
そして、それでもなお難しい場合は「すごい人事パートナー」にご相談ください。
あなたの会社の現状をヒアリングし、最適なオンボーディングプランを一緒に作り上げ、運用面でもしっかり支援いたします。ベンチャー企業のスピード感に合わせた柔軟な契約形態やアサインも可能です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
「すごい人事」情報局運営元:株式会社Crepe
Crepeでは、「人事が変われば、組織が変わる」というコンセプトのもと、⚫︎各種業界1300名の人事が在籍。工数・知見を補う「即戦力」レンタルプロ人事マッチングサービス
⚫︎1日2時間〜使えるマネージャークラスのレンタル採用チーム。オンライン採用代行RPOサービス
⚫︎人事にまつわる課題を解決へ導く、伴走型人事コンサルティングサービス
などのサービスを通して、人事課題を解決する支援を行っています。