フォロワーシップとは?意味・5つのタイプ・行動例・育成方法をわかりやすく解説

最終更新日:2026年5月22日

ビジネス環境が複雑化し、変化のスピードが加速する現代において、リーダー一人の力だけで組織を牽引することは困難になっています。そこで近年、リーダーシップと並んで重要視されているのが「フォロワーシップ(Followership)」です。

フォロワーシップとは、チームメンバーや部下(フォロワー)が、リーダーを補佐し、組織の目標達成に向けて主体的かつ自律的に行動することを指します。カーネギーメロン大学のロバート・ケリー(Robert E. Kelley)教授の研究によれば、組織が出す結果に対して、リーダーが及ぼす影響力はわずか10〜20%に過ぎず、残りの80〜90%はフォロワーの力によってもたらされるとされています 。

つまり、強い組織を作るためには、優れたリーダーを育成するだけでなく、優秀なフォロワーを育成し、組織全体のフォロワーシップを高めることが不可欠なのです。本記事では、フォロワーシップの基本的な概念から、ケリー教授が提唱した「5つのタイプ」、具体的な行動例、そして組織内でフォロワーシップを育成するための実践的な方法までを詳しく解説します。

目次

リーダーシップとフォロワーシップの違いと関係性

フォロワーシップを深く理解するためには、まずリーダーシップとの違いと、両者の相互補完的な関係性を把握することが重要です。

リーダーシップ: 組織のビジョンや目標を示し、メンバーを牽引して方向性を決定する力。

フォロワーシップ: リーダーの示した方向性を理解し、その実現に向けて自律的に行動し、時にはリーダーの盲点を補う力。

これら二つは対立する概念ではなく、車の両輪のような関係にあります。優れたリーダーシップがあっても、それを実行に移すフォロワーシップがなければ組織は前進しません。逆に、フォロワーシップが高くても、リーダーシップによる明確な方向性がなければ、組織の力は分散してしまいます。

ロバート・ケリーによる「フォロワーシップの5つのタイプ」

ロバート・ケリー教授は、フォロワーの特性を「批判的思考(Critical Thinking)」と「積極的関与(Active Engagement)」の2つの軸を用いて、以下の5つのタイプに分類しました。自組織のメンバーがどのタイプに属するかを把握することは、適切な育成アプローチを考える上で非常に有効です。

フォロワーシップとは?意味・5つのタイプ・行動例・育成方法をわかりやすく解説

1. 模範型フォロワー(The Exemplary Follower / 協働者)

【特徴:批判的思考=高、積極的関与=高】

リーダーの指示を鵜呑みにするのではなく、自ら論理的に考え(高い批判的思考)、組織のために主体的に行動する(高い積極的関与)理想的なタイプです。リーダーの右腕として機能し、時にはリーダーに対して建設的な提言や異論を唱えることもできます。

2. 孤立型フォロワー(The Alienated Follower / 破壊者)

【特徴:批判的思考=高、積極的関与=低】

独自の視点や高い思考力を持っていますが、組織の目標やリーダーに対して批判的・冷笑的であり、行動を起こさないタイプです。過去に提案を否定された経験などが原因でモチベーションを失っているケースが多く見られます。

3. 順応型フォロワー(The Conformist Follower / 従事者)

【特徴:批判的思考=低、積極的関与=高】

リーダーの指示に対しては非常に従順で、与えられたタスクを一生懸命にこなすタイプです。しかし、自ら考えて提案したり、リーダーの誤りを指摘したりすることはありません。いわゆる「イエスマン」であり、変化の激しい環境では組織の硬直化を招くリスクがあります。

4. 消極型フォロワー(The Passive Follower / 逃避者)

【特徴:批判的思考=低、積極的関与=低】

自ら考えることも、主体的に行動することもしないタイプです。リーダーから細かく指示されない限り動かず、責任を負うことを避ける傾向があります。組織の生産性を低下させる要因となり得ます。

5. 実務型フォロワー(The Pragmatist Follower / 生存者)

【特徴:批判的思考=中、積極的関与=中】

上記の4つのタイプの中間に位置し、状況に応じて態度を変えるバランス型です。与えられた仕事はそつなくこなしますが、必要以上のリスクを取ったり、目立つ行動をしたりすることは避けます。組織の現状維持には貢献しますが、変革の原動力にはなりにくいタイプです。

フォロワーシップを発揮する「実際の行動例」

では、理想的な「模範型フォロワー」は、日々の業務において具体的にどのような行動をとっているのでしょうか。ここでは、フォロワーシップを体現する5つの行動例を紹介します。

フォロワーシップとは?意味・5つのタイプ・行動例・育成方法をわかりやすく解説

1. リーダーの意図や背景を深く理解する

単に「何をやるか(What)」という指示を受け取るだけでなく、「なぜそれをやるのか(Why)」という背景や、リーダーが目指しているゴールを自ら質問し、深く理解しようと努めます。

2. 建設的な批判と代替案の提示

リーダーの決定に対して疑問やリスクを感じた場合、陰で批判するのではなく、直接リーダーに対して建設的なフィードバックを行います。その際、単なる反対意見ではなく、「こうすればより良くなるのではないか」という代替案をセットで提示します。

3. リーダーの「盲点」をカバーする

リーダーも完璧な人間ではありません。リーダーが気づいていない現場の課題や、見落としているリスクをいち早く察知し、先回りして情報を提供したり、フォローしたりします。

4. チーム内の潤滑油となる

リーダーと他のメンバーの間に立ち、コミュニケーションの橋渡しを行います。リーダーの意図を分かりやすくメンバーに翻訳して伝えたり、逆にメンバーの不満や要望を適切にリーダーにフィードバックしたりすることで、チームの心理的安全性を高めます。

5. 自律的なスキルアップと自己研鑽

指示された業務をこなすだけでなく、組織の目標達成に必要なスキルや知識を自ら特定し、継続的に学習します。自身の専門性を高めることで、チームへの貢献度を最大化します。

組織でフォロワーシップを育成する4つのステップ

優秀なフォロワーは自然発生的に生まれるものではありません。組織として意図的にフォロワーシップを育成する仕組みが必要です。ここでは、実践的な育成の4ステップを解説します。

フォロワーシップとは?意味・5つのタイプ・行動例・育成方法をわかりやすく解説

STEP 1: フォロワーシップの重要性を組織全体で共有する

まずは、経営層やリーダー陣が「フォロワーシップが組織の成果の8割を占める」という事実を認識し、その重要性を全社に発信します。評価制度においても、個人の成果だけでなく、チームへの貢献やリーダーへのサポート(フォロワーシップ行動)を評価項目に組み込むことが効果的です。

STEP 2: 心理的安全性の高い環境を構築する

フォロワーが「建設的な批判」や「自発的な提案」を行うためには、何を言っても罰せられないという「心理的安全性」が不可欠です。リーダーは、部下からの意見を歓迎する姿勢を明確に示し、失敗を許容する文化を醸成する必要があります。

STEP 3: メンバーの現状タイプを把握し、個別のアプローチをとる

ケリーの5つのタイプ分類を用いて、各メンバーの現状を把握します。

孤立型には:過去の不満を傾聴し、彼らの高い思考力を活かせる役割を与える。

順応型には:小さな意思決定を任せ、「自分で考える」経験を積ませる。

消極型には:具体的な目標と細かなフィードバックを与え、小さな成功体験を積ませる。

実務型には:少し高めの目標(ストレッチ目標)を設定し、挑戦を促す。

STEP 4: 権限委譲(エンパワーメント)を進める

フォロワーの自律性を高めるためには、適切な権限委譲が必要です。リーダーがすべての意思決定を行うのではなく、一定の範囲内でフォロワーに裁量を与え、自ら考えて行動する機会を提供します。これにより、フォロワーは「当事者意識」を持ち、より高いレベルのフォロワーシップを発揮するようになります。

まとめ

「リーダーシップ」が脚光を浴びがちなビジネスの世界ですが、真に強い組織を支えているのは、目立たない場所でリーダーを支え、自律的に行動する「優れたフォロワー」たちです。

ロバート・ケリーの5つのタイプを理解し、自組織のメンバーがどの位置にいるのかを把握すること。そして、彼らが「模範型フォロワー」へと成長できるよう、心理的安全性の確保や適切な権限委譲を行うこと。これこそが、変化に強く、持続的に成長できる組織を創るための最短ルートです。

今日からぜひ、自組織の「フォロワーシップ」に目を向け、その育成に取り組んでみてください。

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