人事業務委託サービスの違いと選び方徹底解説(フリーランス人事/採用代行RPO/コンサルティング)

最近企業では、人材の採用ニーズが高まる反面、採用難に苦しむ企業が多く見受けられます。そんな中で、人事の方が会社から独立し、フリーランスとして活躍する事例がここ数年で増えてきました。

今回は企業の採用難を解決する方法の1つとして、人事の業務委託やフリーランスを活用する方法と、具体的なサービスをいくつかご紹介していきます。

【このシリーズを読んでほしい人!】
・人事の業務委託導入を検討している経営者、人事担当の方
・組織フェーズ毎の業務委託人事の活用イメージがわかない方
・採用が上手く進んでいない、どうすれば採用を成功させられるか悩んでいる経営者や人事の方

【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・人事の業務委託を利用するメリット・デメリットがわかる
・自社にマッチする人事の業務委託の選び方やサービスがわかる
・業務委託人事の料金相場や依頼方法がわかる

目次

人事の業務委託サービスとは?

人事の業務委託とは、企業が人事業務を外部の専門家や企業に委託することを指します。業務委託を活用することで、企業が抱える人事業務の負荷軽減や、専門的な人事知識を持つ専門家の活用が可能になります。

ひと言に人事の業務委託と言っても、採用に関する業務や人事制度策定などの制度設計に関する業務など、様々な業務とそれに対応するサービス・契約形態があります。

契約形態

契約形態は大きく2つで、「請負契約」「準委任契約」が存在します。
「請負契約」では、サービス提供者が業務を請け負い、実行や納品物の品質担保まで全てに責任を持ちます。一方「準委任契約」は役務提供となり、準委任契約の中で更に、労務の提供に対して報酬が発生する「履行割合型」と成果に対して報酬が発生する「成果完成型」に分かれます。

サービスは大きく「フリーランス人事への業務委託」「RPO・採用代行」「コンサルティング」の3つのカテゴリーがあり、それぞれで対応してくれる業務と責任範囲が異なります。


人事の業務委託で依頼できる業務は?

フリーランス人事やRPO(採用代行)に依頼できる業務は多岐にわたります。

代表的な業務としては、足りないリソースを補ったり、実務面のサポートとして「採用業務」「労務管理」「給与計算」「社会保険手続き」などをおこなう実務サポートと、高度な能力を要求される「研修」や「福利厚生の企画・運営」「人事制度の構築や改善」など、より専門的な戦略策定・企画サポートの大きく2種類の依頼をするパターンがあります。

実務面のサポートでは、主にリソース課題を解決するサービスが適しています。フリーランス人事またはRPO(採用代行)への業務委託サービスを中心として、下記のような業務を依頼するケースが多く存在します。

・ダイレクトリクルーティングにおける候補者選定
・スカウトメールの送信
・面接対応
・候補者との日程調整
・労務管理
・給与計算
・社会保険手続き etc..

基本的には、マニュアル化が可能で人手がかかる業務に対応するサービスとして、フリーランス人事やRPO(採用代行)へ依頼するケースが多く存在します。対応する人材は、人事業務経験者から未経験でも研修を受けたオペレーターなどが対応するケースが多いです。

一方で戦略策定・企画のサポートでは、主にスキル課題を解決するサービスが適しています。採用人事コンサルティングサービス、もしくはフリーランス人事への業務委託として下記のような業務の依頼が可能です。

・採用戦略の設計
・評価制度の作成
・エンゲージメント施策の設計
・研修の企画
・組織課題の発見、解決案の提案
・ミッション/ビジョン/バリューの策定 etc..

こちらは、マニュアル化がしづらく、社内に経験者もいない・少ないような業務を経験者が対応する採用コンサルティングサービスやフリーランス人事が数多く存在します。


人事業務委託サービスの活用目的

人事の業務委託を活用する目的としては、以下のようなポイントで活用するケースが多く挙げられます。

「リソース課題」を解決する実務サポート

主にRPO(採用代行)と呼ばれるサービスや、ジュニア〜ミドルクラスのフリーランス人事を活用し、自社の人事採用業務のリソース課題の解消に活用されるケースが多いです。
例えば、

・人事採用業務の負荷軽減および業務効率の向上
・外部へ依頼することで自社人事がコア業務に集中できる
・業務委託によるコスト削減
・繁忙期と閑散期でコストの変動費化が可能になる

といったポイントが挙げられます。

「スキル課題」を解決する戦略策定・企画サポート

主に採用コンサルティング・人事コンサルティングと呼ばれるサービスや、ミドルクラス以上のフリーランス人事を活用し、自社人事採用業務のスキル課題の解消に活用されるケースが多いです。

・自社の採用力・組織力強化による事業成長の加速
・人事採用領域の専門家の知見をスピーディに取り入れることができる(自社内にノウハウやできる人が存在しない場合1から育てなくとも良い)
・他社事例など、自社組織にない情報を取り入れることができる

また、企業フェーズによっても異なるメリットがあります。

人事業務委託の活用「数10名~100名以下規模組織」

「RPO(採用代行)orミドルクラス以上のフリーランス人事(ゼネラリスト)の活用」
まだ社員も少ない成長段階の企業では、リソース不足とスキル不足の両面が課題となりやすい状況です。そのため、極端に負荷がかかっているルーチン業務をRPO(採用代行)で切り出すか、もしくはベンチャー企業などで、人事採用領域における横軸のカバー範囲(採用戦略〜実行までできる、労務面も経験があるetc)が広い、経験豊富なゼネラリスト系の人事フリーランスを入れることで、採用活動における企画と実務の両面で歩留まりを解消することが可能になります。

人事業務委託の活用「100名規模組織」

「RPO(採用代行)orミドルクラス以上フリーランス人事(スペシャリスト)の活用」
企業の成長に置いて100名の壁と言われるハードルがある中で、100名規模まで成長すると、新規採用と社内制度の構築による離職・定着課題の両面に対応する必要があります。
しかし、この規模だと人事が1~2名の企業も多く、両面に対応するリソースも、どのような対応が適しているかを判断するスキルも不足しているケースがあります。

また、このフェーズだと、組織成長に応じて人事業務も新しく着手しなければならないプロジェクトが多数生まれるフェーズです。今までは中途採用メインだったが新卒採用にチャレンジする、ミドルマネージャークラスが不足しており外部から採用する、成長規模に応じた組織制度の見直しを行う、など、企画や戦略の見直しが必要になることが多いです。
そのため、柔軟性もありながら各領域のスペシャリストとしての経験が豊富なフリーランス人事を入れることで、各プロジェクトがスピーディに立ち上がったり、少ない人事の人数で企画面も動かすことができるでしょう。

もしくは、社内の人事の方で上記のような企画・戦略面ができる方がいる・もしくは自社でトライしていきたい場合には、実務面をRPO(採用)業務委託サービスに対応してもらうことで、人事のリソース面を確保しながら組織の成長を加速することが可能になります。

人事業務委託の活用「300名規模組織」

「RPO(採用代行)orフリーランス人事orコンサルティング」
数百名規模になると、組織の成長に伴う制度の不適合や大規模な採用計画、社員やマネジメント層の教育課題など、組織や採用の課題も多岐に渡ります。これを社内だけで企画・推進することはなかなか手間と時間を要します。
業務委託サービスを活用することで、自社では思いつかないような研修の企画や実施、仕組み化を担ってもらったり、評価制度の設計やコーチング的な役割など高いスキルを要する業務も進めることができます。


人事の業務委託を活用する際の注意ポイント

一方、人事の業務委託を活用するデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

実務サポート

・実務の経験値やナレッジが社内に蓄積しづらい
・委託するサービスやフリーランスによってクオリティがばらける
・アサインする人のレベルによって要件定義やディレクションが必要

戦略策定・企画サポート

・外部の専門家や企業との調整や連携が必要
・委託先の選定ミスによる業務品質の低下

また、企業規模に応じて異なるデメリットも存在します。

数10名~100名以下規模

まだ組織としても成長フェーズにあるこの規模の会社は、事業の方針転換が頻繁におこなわれます。その為、外部のサービスやフリーランスの登用をおこなう場合、依頼内容がコロコロと変わってしまうことで混乱が生じるケースが多く発生します。
その為、できるだけ方向転換があっても変化が起きない業務を依頼すること、もしくは変化に対応できるスキル
レベルがあることを確認することが必要です。

100〜300名規模

人数も増え組織が細分化されていくと、採用要件が細かくなったり委託する業務の要求レベルも高くなる傾向があります。そうなると、委託先への依頼をかみ砕いて指示を出すことが必要となり、コミュニケーションも複雑になります。


業務委託人事の選定基準とポイント

業務委託人事の選定基準としては、以下のような点が挙げられます。

・実績や信頼性のある企業であるか
・業務内容に精通した専門家であるか
・コストパフォーマンスが良いか

・メインで相対してくれる担当者が、こちらの目的や意図をしっかり読み取れるか
・コミュニケーションが円滑、かつ快適にとれるか

実務や能力の観点は、過去の実績や実際に取り組みとしてどのようなことを考え、どのような対応をされたのかを聞くことで把握していくと良いでしょう。
具体的な話が出てこない、数字や事実で語れない業者やフリーランスの場合、少し注意が必要です。

同時にとても大事なのはコミュニケーション部分です。一緒にやっていくうえで、依頼した業務や取り組みの目的をしっかり理解して動いてくれるのか否かは、アウトプットに直結するため最重要要素となります。
必ず依頼する前に、目的などを伝えた上でどのような支援をしてくれるのか、コミュニケーションに違和感などを感じないかは確認しておきましょう。


人事の業務委託活用の料金相場

料金相場はサービスの形態によって異なります。
「スキルシェアリング」「RPO・採用代行」「コンサル」の3つのカテゴリーでそれぞれ見ていきましょう。

「スキルシェアリング」

スキルシェアリングは、フリーランス人事をスキルを活用する形態です。
個別にフリーランス人事を探してきて直接契約を結ぶやり方と、仲介してくれる会社のサービスを挟んで契約する方法、更にプラットフォームを経由して依頼する方法の3種類が存在します。

また、単価の決め方も「時給単価」「業務単価」「成功報酬」などいくつかの種類がありますが、時給換算で値付けがされることが大半です。

それぞれにかかってくる費用が異なるため、必要な費用と相場観をいかにまとめます。

スキルシェアリング各種の相場感

形態初期費用手数料/仲介料フリーランス人事への報酬 アフターフォロー
直接契約求人掲載費、スカウト利用料、契約書作成費なし3,000円~10,000円以上/時間
仲介会社経由なし報酬総額の15%~30%程度3,000円~10,000円以上/時間
プラットフォーム経由月額固定費、掲載課金(場合による)報酬総額の数%~十数%(企業側)3,000円~10,000円以上/時間

スキルシェアリング各種のメリットデメリット

形態メリットデメリット
直接契約・コストを抑えやすい
・ 直接的なコミュニケーション
・ 関係性を構築しやすい
・人材選定の負担が大きい
・ 契約交渉や管理が必要
・ミスマッチのリスクがある
仲介会社経由・質の高い人材を紹介してもらえる可能性が高い
・マッチングの精度が高い
・ 契約交渉や事務手続きを代行してくれる
・費用が高くなる
・直接的なコミュニケーションが取りにくい場合がある
プラットフォーム経由・多様な人材にアクセスしやい
・比較的安価に利用できる
・契約手続きが簡略化されている
・人材の質にばらつきがある
・マッチングの精度は企業側の情報発信力に左右される
・プラットフォームのシステム利用料が発生する

「RPO・採用代行」

RPO・採用代行の場合、対応業務に応じて単価が分かれているケースが多いです。
既にパッケージされた業務内容を依頼する固定料金のパターンと、実施する業務をカスタマイズして費用を決めるオーダーメイドの従量課金パターンの2つが主流です。
下記、一例としての業務ごとの料金相場となります。

業務内容固定料金パターン(月額目安)従量課金パターン(単価目安)備考
採用戦略・計画立案10万円~50万円10万円~/回企業の規模や求めるレベルによって変動
求人広告作成・運用5万円~30万円3万円~10万円/回媒体数や内容の複雑さによって変動
応募者対応(書類選考含む)5万円~20万円2千円~5千円/件応募数によって変動
スカウト代行5万円~30万円500円~2千円/通送信数やターゲット設定の細かさによって変動
面接代行10万円~50万円1万円~3万円/回面接官のレベルや対応人数によって変動
面接日程調整3万円~10万円5千円~1万円/回調整人数や複雑さによって変動
内定者フォロー5万円~20万円2万円~5万円/月期間や内容によって変動
採用広報10万円~50万円5万円~20万円/回コンテンツ内容や頻度によって変動
採用管理システム運用代行5万円~20万円システムの種類や運用範囲によって変動
採用業務全般(パッケージ)30万円~100万円以上企業の規模や採用人数、期間によって大きく変動
※あくまで相場感のため、実際の費用については各サービスにお問い合わせください。

「コンサルティング」

コンサルティングは「プロジェクト報酬」「成果報酬」「アドバイザリー報酬」の大きく3種類の料金体系があります。
料金の幅も大きく、「コンサルタントの関与時間」と「コンサルタントの単価」によって大きく変わります。難しい要求であればあるほど、コンサルタントの単価も関与する時間も高くなるため、トータルの費用も上がっていきます。

人事領域でのコンサルティングを依頼する場合、内容によりますが数百万円の費用がかかることを前提に検討すると良いかもしれません。


人事の業務委託における依頼の注意点

人事の業務委託サービスやフリーランス人事への依頼で気を付けるポイントは、サービスの性質によって変わってきます。

「RPO・採用代行」

RPOの場合は、依頼の際に下記が重要になります。

・依頼内容の要件定義
・対応者の明確化
・納品物のクオリティ定義
・作業実施のスケジュールと納期の設定
・業務報告のタイミングと内容
・実務が要求通り果たされなかった場合の対応
・コミュニケーション方法
・依頼主からの提供情報や提供物の確認 etc
..

主に、「どのような作業を」「いつまでに」「誰が」「どのようにおこない」「どうなっていれば納品とし」「そこに向けてどう進めるのか」を明確にして、依頼をおこないます。

「コンサルティング」「スキルシェアリング」

コンサルティングとスキルシェアは抑えるべき要素が近く、下記を把握することで期待値との大きな乖離を防ぐことができます。

・サービスとしての対応範囲の確認(実務まで対応可能なのか?提案までなのか?)
・目的と課題の明確化
・コンサルタントの実績や専門性の確認
・プロジェクトの期間や予算の明確化
・フォローアップの有無や粒度

主に、「どのレベルのコンサルタントが」「どのくらいの期間」「どんなことをしてくれて」「どのように目的の達成や課題の解決に貢献してくれるのか」「支援後のフォローはどの程度なのか」を明確にすることで、依頼前の期待値と依頼中・依頼後のアウトプットを近づけることができます。


すごい人事が展開する各種サービス

それでは、具体的な人事の業務委託サービスをそれぞれのジャンルでご紹介します。

「スキルシェアリング」

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「RPO・採用代行」

すごい人事採用おまかせパック/ 採用代行(RPO)サービス

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「コンサルティング」

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すごい人事は、人事課題、成長フェーズに合わせて最適なサービスを提供する会社です。

人事業務委託サービスの活用で起こりがちな
・どの人材に依頼すればいいかわからない
・依頼したは良いが、フリーランス人事との相性が合わず失敗した
・アウトプットが期待値よりもかなり下回っていた

など、業務委託でのトラブルをご経験の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「すごい人事」ではコーディネーターが事前にヒアリングを重ねながら人材を選定しご紹介するため、上記のようなトラブルが置きにくく、スキルシェアプラットフォームなどに比べて圧倒的に手間を少なくプロ人事をアサインすることが可能です。

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「すごい人事」情報局運営元:株式会社Crepe
Crepeでは、「人事が変われば、組織が変わる」というコンセプトのもと、

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