
「26卒の新卒市場がどうなっているのか知りたい」
「27卒の新卒採用ではどのような対策が必要なのだろうか」
などの悩みを抱える採用担当者は多いのではないでしょうか。
新卒採用を取り巻く状況は毎年変わるため、去年までの採用戦略が今年も通用するとは限りません。
26卒の新卒市場の現状と27卒の動向はおさえて、対策を練る必要があります。
今回は26卒の新卒採用の現状と27卒の動向を解説します。
新卒採用に悩んでいる方は、ぜひ本記事にしてください。
【このシリーズを読んでほしい人!】
・26卒採用において新卒採用に苦戦されている経営者、人事担当の方
・26卒の企業・学生の動向から27卒採用の参考にしたい方
・採用がうまく進んでいない、どうすれば採用を成功させられるか悩んでいる方
【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・26卒採用における企業・学生の動向がわかる
・27卒採用における企業の動向の予測が読める
・27卒採用を成功させるポイントがわかる
目次
26卒における採用市場動向
26卒の採用市場は既に動き出しており、内々定を出している企業も現れています。
一方で、新卒採用が本格化する時期まではまだ時間があり、26卒の現状をおさえれば、対策は可能なタイミングです。
本章では、26卒における採用市場の動向を解説します。
速報の採用市況・内定状況
26卒の採用を成功させるには、現在までの状況を把握しておく必要があります。
26卒の採用市況や内定状況をまとめると、以下のとおりです。
参考:学情 2026年卒 内々定率調査 2025年2月度
- 26卒の選考スタート時期は2025年の6月から
- 一部の業界では早期選考で内定を出しているケースもある
- 昨今の母集団形成の手法にはさまざまなタイプがある
- オープンカンパニーとインターンシップの開催割合は7:3
- 過去2番目に低い採用充足率を記録している
企業側の選考スタート時期
日本の大手企業や経団連に加盟している企業は、26卒の選考開始時期を25年の6月に設定しています。
一方で、ITやコンサルなど一部の業界・企業は26卒向けの選考を既に始めており、内々定を出しているケースも見受けられます。
26卒の内々定率は、2025年1月末時点で48.8%とのデータもあり、就活が早期に決着しているケースも少なくありません。
母集団形成の手法はさまざまなタイプがある
昨今ではテクノロジーの進化や学生の価値観の変化に伴い、母集団形成の手法は以下のようにさまざまなタイプがあります。
- 就職サイト
- 新卒紹介サービス
- オウンドメディア
- ソーシャルリクルーティング
- ダイレクトリクルーティング
どの手法にもメリット・デメリットがあり、即効性や実施難易度が異なることから、導入には検討が必要です。
オープンカンパニーとインターンシップの開催状況
令和5年度からインターンシップの取り扱いが変わり、条件を満たした取り組みだけがインターンシップとされ、採用に活用できるようになりました。
一方で、ほとんどの企業がインターンシップではなく、オープンカンパニーで早期に学生と接触を図ろうとしています。
株式会社キャリタスが調査したところによると、以下のデータが判明しています。
参考:株式会社キャリタス 新卒採用に関する企業調査(2024 年 10 月調査)
- 夏季実施プログラムの8割がオープンカンパニーで、インターンシップが2割にとどまる
- 秋季も同様の傾向で開催プログラムの6割がオープンカンパニー
- 冬季実施プログラムの7割がオープンカンパニーで、インターンシップは1割前後
インターンシップは採用活動に活用できる一方で、開催難易度が高いことから積極的に開催している企業が少ないことがわかります。
開催難易度が高くなく、早期に学生と接触の図れるオープンカンパニーが今後も多く開催されることが予想されます。
採用目標人数に対する充足率
企業側に採用意欲はある一方で、予定どおりの新卒採用が出来ていないことがデータから判明しています。
リクルートワークス研究所が発表したデータによると、2025年卒の採用充足率は76.8%と過去2番目に低い結果となっています。
参考:株式会社リクルート ワークス採用見通し調査(新卒:2026年卒)
求職者サイドの動向
売り手市場の昨今において、採用側としては求職者サイドである学生のふるまいは気になるポイントです。
現時点で判明している26卒の学生サイドの動向は、以下のとおりです。
- 2024年4月の段階で約3割(351人中105人)の学生が就職活動を始めていた
- 2024年4月の段階で約2割の学生がインターン・仕事体験に参加していた
- 2025年2月の時点で内々定率は約5割
就活が早期化していることは学生側も認識しており、早めに行動をしている学生が多いといえる状況です。
学生が就活に動き出す時期
就職の早期化が進んでいる昨今では、学生側も早期化を意識しており、早期から動き出している学生も少なくありません。
早期から動いていなくとも、ほとんどの学生が夏前までに動き出していることがわかります。
就職エージェントサイト「キャリアチケット」の調査によると、2024年4月の段階で就活を始めたい時期の調査結果は以下のようになっています。
参考:キャリアチケット 2026年入社予定学生の就活状況に関する調査
- 既に始めている 29.9%(351人中105人)
- 2024年4月 10.5%(351人中39人)
- 2024年5月 10.8%(351人中40人)
- 2024年6月 15.7%(351人中52人)
インターンの参加状況
就活においてインターンの重要性が増していますが、春先までにインターン・仕事体験に参加した学生の割合は2割ほどになっています。
一方で、例年では7〜8月からインターン・仕事体験への参加率は上がり、8〜9割ほどになります。
参考:株式会社マイナビ 2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(4月)
26卒の内々定率
就活情報サイトを運営する「学情」によると、26卒の内々定率は2025年1月末時点で48.8%と調査対象の約半数が内々定を保持していることが判明しています。
前年比では19.0%増加しており、多くの企業が早期の新卒採用を活発にしていることが読み取れます。
また約1割の学生が既に就活を終えており、決断力のある学生は早期に決着をつけることがわかるデータです。

26卒の学生動向から考える採用活動のポイント
定石といわれていた採用アプローチも、環境変化から結果がついてこなくなったケースは少なくありません。
新卒採用は経済状況や採用を取り巻くルール、学生の価値観などが変化するため、アップデートした対応が必要になります。
本章では26卒の学生の動向から、今後の採用活動のポイントを解説します。
内々定出しが出そろう時期
各企業の採用活動がスタートして、内々定が出始めると、就活を終了する学生が現れます。
新卒採用するには、各企業からの内々定が出そろう前、最低でも各企業と同じタイミングで採用活動をおこなう必要があるといえるでしょう。
26卒の内々定率は、2025年1月末時点で48.8%と約半数の内々定率を保持しており、約12%の学生が就活を終了しています。
内々定の数値は月日を追うごとに上昇していき、25卒のデータでは5月末時点で約80%が内々定を保持、5割の学生が就活を終了する結果が判明しています。
6月末になると、7割の学生が就活を終了する結果が出ていることから、7月以降は次の年の新卒採用が難しくなるといえる結果です。

参考:学情 2025年卒 内々定率調査 2024年7月度
意思決定を後押しする内定者フォロー施策
現在は売り手市場のため、複数の内々定・内定を有する学生も珍しくありません。
企業側としては、いかにして内定受託の意思決定を後押しして、学生を確保するかが重要なポイントになっています。
内定者をフォローするための施策としては、以下の内容が挙げられます。
- 面談
- 内定者懇親会
- 内定者研修
- 社内イベントへの参加
どの施策にも共通しているのは、不安を取り除くことです。
内定した学生は「業務についていけるか不安」「同期・社内の方とうまくやれるか不安」など、さまざまな不安を抱えています。
一つひとつの施策を通して、学生の不安を取り除いていくことで、学生が最終的に自社に入社を決める道が生まれます。
内定者のフォローにかかるコストや手間は、決して小さくはありませんが、内定辞退を招いた場合のコストの方が高くなるのは明白です。
売り手市場で学生を確保するには、内定者フォローが必要な状況といえるでしょう。
選考フローおよびリードタイム
新卒採用は一般的に以下の選考フローを辿っており、リードタイムは1ヶ月以内のケースが多くなっています。
- ES提出
- 書類選考
- 適性検査
- 面接内定
選考期間中に、次の選考を辞退する学生は多くいることから、企業側は選考のリードタイムをいかにして短縮するかが問われています。
リードタイムを短縮する施策としては、以下の内容が挙げられます。
- 合格ラインの見直し
- 面接回数/面接官の人数の見直し
- 面接目的の再確認
- 承認速度の向上
内定までたどり着ければ、内定者に対するフォローを手厚くおこなえることから、内定辞退の可能性を下げることは可能です。
27卒新卒採用における企業の動向を予測
競合となる企業側の動向次第では、採用アプローチも大きく変わるため、企業の動向もチェックが必要です。
本章では27卒の新卒採用における企業の動向を解説します。
採用スケジュール
27卒新卒採用のスケジュールは、基本的には26卒の新卒採用スケジュールと変わらない方向です。
一方で、インターンシップの活用を代表に、就活の早期化が進行しています。
他の企業に遅れを取らないためにも、できれば早期の内に、遅くとも4月ごろから採用に向けて動き出すことをおすすめします。
27卒新卒採用のスケジュールは、以下のとおりです。
27卒新卒採用スケジュール | 内容 |
2025年4〜6月 | 夏季インターンシップの募集開始と選考 |
2025年7〜8月 | 夏季インターンシップの開催 |
2025年9月 | 早期選考を始める企業は採用活動を開始 |
2026年3月 | 採用情報の公開とエントリー受付 |
2027年6月 | 採用選考の開始 |
母集団形成手法のトレンドと勝ち筋
昨今では母集団の形成も一筋縄ではいかないため、学生の趣向に合わせた方法を採用する必要があります。
現在の学生に合わせた母集団形成のトレンドは、オンライン化です。
株式会社i-plugの調査によると、以下のデータが判明しています。
参考:株式会社i-plug 【25卒学生/企業対象】就職活動の選考過程に関する調査
- 会社説明会から最終選考までを対面で希望している学生は4%ほど
- 96%の学生が会社説明会から最終選考までにオンラインを取り入れた選考を希望
コロナ禍で広がったオンライン選考・説明会ですが、タイムパフォーマンスを重視する現在の学生のニーズに合致しています。
多くの学生を呼び込むために、会社説明会や一次面接はオンライン化を取り入れることをおすすめします。
27卒の新卒採用を成功させるポイント4選
新卒採用のハードルが高い中で、27卒の新卒採用を成功させるには、採用ターゲットの解像度を上げて、ターゲットに刺さる採用活動をする必要があります。
ターゲットの解像度を高め、より早く学生へ接触するためには以下4つのポイントの実行が重要です。
ポイント | 内容 |
採用ターゲットの明確化 | 学歴や保有資格、性格など細かい部分までを想定して、どのような学生を採用したいかを明確にする明確にしたターゲット像からどのようにアプローチをするのか検討する |
採用ターゲットの活動状況の把握 | 採用ターゲットの就活状況を把握して、企業側の活動時期の参考にする |
個別採用の実施 | 採用ターゲットに直接アプローチするために、個別採用を実施するダイレクトリクルーティングやリファラル採用などの手法を利用する |
インターンシップの実施 | インターンシップを実施して、ターゲットの学生に参加してもらう企業へのイメージを持ってもらい、内定辞退や選考辞退を避ける可能性を上げる |
多くの学生をターゲットにすると、本当に採用したい学生の興味が引けなくなり、結果として採用が滞る結果となります。
採用したい学生像を明確にして、採用したい学生を確実に捉えるような採用活動がおすすめです。
まとめ
今回は26卒採用の現状と27卒の動向を解説しました。
今回解説した内容をまとめると以下のとおりです。
- 26卒の採用をスタートしている企業は多く、5割の学生が内々定を保持している状況
- 内定者のフォローや採用リードタイムの短縮が学生確保のポイント
- 27卒採用のポイントはターゲットの明確な設定と個別採用に力を注ぐこと
新卒採用は年々、難易度が増しており、思うように採用できないケースは決して珍しくありません。
若手の採用を目指すのであれば、新卒採用にこだわらず、第二新卒や若手の中途採用も一つの方法です。
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