【2025年最新版】IT業界におけるエンジニア採用課題の解決策7選
IT技術の急速な進化に伴い、企業のDX推進や新規事業開発においてエンジニアの存在は不可欠となっています。しかし、その重要性が高まる一方で、多くの企業が「エンジニアの採用がうまくいかない」という深刻な課題に直面しています。激化する採用競争、候補者と企業のミスマッチ、高騰する採用コストなど、人事担当者や経営者の悩みは尽きません。
本記事では、IT業界の人事・経営者様に向けて、エンジニア採用が困難を極める背景を最新のデータと共に分析し、企業が直面しがちな7つの具体的な課題を明らかにします。さらに、それらの課題を解決するための7つの具体的な解決策を、徹底的に解説します。
目次
- 2025年のエンジニア採用市場の最新動向
- エンジニア採用が難しい5つの理由
- 企業が抱えるエンジニア採用の7つの課題
- エンジニア採用課題の解決策7選
- エンジニア採用におすすめの採用手法5選
- エンジニア採用を成功させるための5つのポイント
- まとめ
2025年のエンジニア採用市場の最新動向
エンジニア採用の具体的な課題と解決策に触れる前に、まずは2025年現在の採用市場がどのような状況にあるのか、最新のデータを基に見ていきましょう。市場のトレンドを正確に把握することが、効果的な採用戦略を立てる第一歩となります。
エンジニアの転職活動が活発化している
2025年のエンジニア転職市場は、かつてないほどの活気を見せています。LAPRAS株式会社が実施した調査によると、「転職を考えており、具体的に転職活動をしている」と回答したエンジニアの割合は、2024年の6.4%から2025年には9.5%へと大幅に増加しました。これは過去5年間で最も高い水準です。
さらに、「転職を考えており、情報収集を始めている」層(13.7%)と合わせると、実に23.2%のエンジニアが転職市場に能動的に関わっていることになります。これは、およそ4人に1人のエンジニアが、より良い機会を求めて積極的に行動していることを示しており、企業にとっては優秀な人材を獲得するチャンスが広がっていると同時に、採用競争が一層激化していることを意味します。
| 転職活動の状況 | 2024年 | 2025年 | 増減 |
| 転職活動をしている | 6.4% | 9.5% | +3.1pt |
| 情報収集を始めている | 13.0% | 13.7% | +0.7pt |
| 合計 | 19.4% | 23.2% | +3.8pt |
働き方の多様化が進んでいる

企業に所属して正社員として働くという従来のスタイルだけでなく、より柔軟で自律的な働き方を求めるエンジニアが増えています。同調査では、「副業をしている」エンジニアの割合が2024年の13.9%から2025年には17.0%へと増加。また、「フリーランス」として活動するエンジニアも15.2%と、引き続き高い水準を維持しています。

特に注目すべきは、働き方の理想と現実のギャップです。「フルリモートワーク」を理想とするエンジニアが25.2%にのぼる一方、実際にフルリモートで働いているのは17.1%に留まっています。逆に、「フル出社」を理想とするエンジニアはわずか14.8%であるのに対し、現実には29.2%がフル出社をしています。この理想と現実の乖離は、エンジニアが転職を考える大きな動機となり得ます。企業は、リモートワークやハイブリッドワークといった柔軟な勤務形態を整備することが、採用における強力な武器になると言えるでしょう。
エンジニア採用が難しい5つの理由
なぜ、これほどまでにエンジニア採用は難しいのでしょうか。その背景には、個々の企業の努力だけでは解決が難しい、社会構造的な要因が存在します。ここでは、エンジニア採用を困難にしている5つの理由について解説します。

1. エンジニアの需要に対して人材が圧倒的に不足している
前述の通り、IT人材の需要は供給を大幅に上回っています。あらゆる産業でDXが推進され、AIやIoTといった先端技術の活用が広がる中、それを支えるエンジニアの存在は企業の競争力を左右する重要な要素となっています。しかし、少子高齢化による労働人口の減少に加え、日本のIT教育の遅れもあり、需要の伸びに人材供給が全く追いついていないのが実情です。この深刻な需給ギャップが、採用競争を激化させる根本的な原因となっています。
2. 即戦力となるエンジニアの採用が急務となっている
技術革新のスピードは非常に速く、企業は常に新しい技術に対応していく必要があります。社内でじっくり人材を育成する時間的余裕がなく、多くの企業がプロジェクトをすぐに推進できる即戦力エンジニアを求めています。しかし、高いスキルを持つ優秀なエンジニアは限られており、多くの企業が同じ層の人材をターゲットにするため、採用難易度は必然的に高まります。
3. 企業がエンジニアを手放さないようにしている
優秀なエンジニアは、一度採用すれば企業の大きな資産となります。そのため、多くの企業は高い報酬や良好な労働環境、魅力的な福利厚生などを提供し、優秀な人材の離職防止(リテンション)に力を入れています。結果として、スキルフルなエンジニアが転職市場に出てくる機会が減少し、新たな人材獲得をより一層難しくしています。
4. 待遇がいい企業にエンジニアが集まりやすい
売り手市場であるエンジニアは、より良い条件を求めて企業を選ぶことができます。特に、高い給与水準や先進的な開発環境、柔軟な働き方を提供できる大手企業や有名テックカンパニーに人気が集中しがちです。そのため、中小・ベンチャー企業は、待遇面だけで勝負することが難しく、独自の魅力を打ち出さなければ優秀な人材を惹きつけることは困難です。
5. フリーランスや副業など働き方が多様化している
近年、企業に所属せずフリーランスとして独立したり、本業の傍ら副業でスキルを活かしたりするエンジニアが増加しています。彼らは、必ずしも転職市場で積極的に職を探しているわけではありませんが、高いスキルを持っているケースが多くあります。企業側も、正社員採用という枠に囚われず、業務委託など多様な形でこうした人材と関わっていく視点が必要になっています。
企業が抱えるエンジニア採用の7つの課題
社会的な背景に加え、多くの企業が自社内に採用活動を阻む課題を抱えています。ここでは、エンジニア採用に悩む企業が共通して直面しがちな7つの課題を具体的に見ていきましょう。

課題①:求めるターゲット像が明確になっていない
「優秀なエンジニアが欲しい」という漠然とした要望だけで、具体的にどのようなスキル、経験、志向性を持つ人材が必要なのかが明確になっていないケースは少なくありません。エンジニアと一口に言っても、フロントエンド、バックエンド、インフラ、機械学習など専門領域は多岐にわたります。ターゲット像が曖昧なままでは、適切な採用手法を選べず、候補者の心にも響くアピールはできません。
課題②:エンジニアと企業間で求める条件が合わない
自社の給与テーブルや既存の制度だけを基準に募集要項を作成した結果、市場の相場やエンジニアが求める条件と大きく乖離してしまうことがあります。特に、給与、福利厚生、働き方の柔軟性(リモートワークの可否など)は、エンジニアが企業を選ぶ上で重視するポイントです。競合他社の動向や市場感を把握せず、自社の都合だけで条件を設定すると、応募が全く集まらないという事態に陥ります。
課題③:優秀なエンジニアの見極めが難しい
採用担当者が技術的な知識に乏しい場合、候補者が持つスキルの価値やレベルを正確に判断することが困難です。職務経歴書に書かれた技術用語の意味を理解できなかったり、面接で踏み込んだ質問ができなかったりするため、候補者の能力を正しく評価できません。結果として、スキル不足の人材を採用してしまったり、逆に優秀な人材を不採用にしてしまったりするミスマッチが起こります。
課題④:エンジニアへ自社の魅力を伝えられていない
多くの企業が、自社の魅力や強みをエンジニアの視点に立って伝えられていません。例えば、エンジニアが「どのような技術を使って開発できるのか」「スキルアップできる環境か」「裁量を持って働けるか」といった点を重視しているにもかかわらず、企業の安定性や規模といった一般的なアピールに終始してしまうケースです。候補者の心に響く「魅力」を的確に伝えられなければ、競争の激しい採用市場で勝ち抜くことはできません。
課題⑤:採用チャネルの多様化でノウハウが広く求められる
かつてのように求人広告を出して応募を待つだけの「待ち」の採用スタイルは、もはや通用しません。企業側から候補者に直接アプローチするダイレクトリクルーティング、社員の紹介を基盤とするリファラル採用、技術ブログやSNSでの情報発信など、採用チャネルは多様化・複雑化しています。これらのチャネルを効果的に活用するには、それぞれの手法に関する専門的なノウハウが必要となり、採用担当者の負担は増大しています。
課題⑥:採用コストが高騰している
エンジニアの獲得競争が激化するにつれて、採用コストは上昇の一途をたどっています。特に、ハイスキルな人材を紹介してもらう場合、人材紹介会社への成功報酬は年収の35%以上に設定されることも珍しくありません。複数の採用チャネルを併用することも、コストを押し上げる要因となります。限られた予算の中でいかに費用対効果の高い採用を実現するかは、多くの企業にとって大きな課題です。
課題⑦:入社後のミスマッチにより定着率が低い
時間とコストをかけて採用したにもかかわらず、入社後に「思っていた仕事内容と違った」「社風が合わなかった」といったミスマッチが生じ、早期離職につながってしまうケースも後を絶ちません。これは、採用段階でのターゲット設定の曖昧さや、候補者への不十分な情報提供、不正確なスキル評価などが原因で起こります。採用は、入社がゴールではなく、その後の活躍と定着まで見据えて行う必要があります。
エンジニア採用課題の解決策7選
エンジニア採用における数々の課題を乗り越え、成功を収めるためには、戦略的なアプローチが不可欠です。ここでは、前述した7つの課題に対応する形で、具体的な7つの解決策を詳しく解説します。

解決策①:採用ペルソナ設計で求めるターゲットを明確にする
課題①「求めるターゲット像が明確になっていない」 を解決する第一歩は、採用ペルソナの設計です。採用ペルソナとは、採用したい人物像を、スキルや経験だけでなく、価値観や志向性、行動特性まで含めて具体的に描き出したものです。
まずは、事業戦略や開発計画に基づき、「なぜエンジニアが必要なのか」「採用した人材に何を期待するのか」を明確にします。その上で、現場のエンジニアやマネージャーを巻き込み、必要なスキルセットを洗い出しましょう。その際、「これだけは譲れない必須要件(Must)」と「あれば尚良い歓迎要件(Want)」に分けて整理することが重要です。これにより、要件を過度に狭めることなく、ターゲット層を広げることが可能になります。
さらに、「どのようなチームで働くのか」「どのようなカルチャーにフィットする人材か」といった定性的な側面も掘り下げ、具体的な人物像を構築することで、採用活動の軸が定まり、関係者間での目線合わせもスムーズになります。
解決策②:採用市場と比較し採用要件を見直す
課題②「エンジニアと企業間で求める条件が合わない」 という問題には、自社の常識を一度脇に置き、客観的な市場データに基づいて採用要件を柔軟に見直すことが有効です。
まずは、競合他社がどのような条件(給与、福利厚生、働き方)を提示しているのか、調査するところから始めましょう。その上で、自社の提示条件が市場相場と比べて見劣りしないか、客観的に評価します。もし大きな乖離がある場合は、経営層に働きかけて給与テーブルの改定や、リモートワーク・フレックスタイム制度といった柔軟な働き方の導入を検討する必要があります。
また、求めるスキルレベルが高すぎて採用に至らない場合は、ターゲット層を広げる視点も重要です。例えば、シニアレベルに固執せずポテンシャルのあるジュニア層の採用に切り替え、社内での育成プランを整備する、あるいは正社員採用だけでなく、フリーランスや副業エンジニアへの業務委託といった多様な雇用形態を検討することも、有効な選択肢となります。
解決策③:現場のエンジニアを採用活動に巻き込む
課題③「優秀なエンジニアの見極めが難しい」 という採用担当者の悩みは、現場のエンジニアを積極的に採用活動に巻き込むことで解決できます。技術的な知見を持つエンジニアの協力は、候補者のスキルを正確に評価し、ミスマッチを防ぐ上で不可欠です。
具体的には、求人票の作成段階から現場のエンジニアにヒアリングを行い、使用している技術スタックや開発環境、プロジェクトの具体的な内容を求人票に反映させることが重要です。書類選考では、候補者のGitHubアカウントや技術ブログなどを共に確認し、スキルレベルを評価してもらいます。技術面接では面接官として同席してもらい、専門的な質疑応答を通じて候補者の技術力や問題解決能力を深掘りしてもらうことが効果的です。また、カジュアル面談では、候補者と現場エンジニアが気軽に話せる場を設け、仕事のリアルな魅力ややりがいを伝えてもらうことで、候補者の志望度を高めることができます。
採用は人事だけの仕事ではなく、全社で取り組むプロジェクトであるという意識を醸成することが重要です。
解決策④:エンジニア目線に立った訴求を行う
課題④「エンジニアへ自社の魅力を伝えられていない」 状況を打破するには、徹底してエンジニアの視点に立ち、彼らが「知りたい情報」を「魅力的に」伝える工夫が必要です。
求人票には、給与や勤務地といった基本情報だけでなく、エンジニアが本当に知りたい情報を具体的に記載しましょう。開発環境として使用言語、フレームワーク、ライブラリ、OS、クラウド環境(AWS、GCP、Azureなど)を明記することが重要です。プロジェクト内容については、どのようなプロダクト・サービスの開発に、どの工程(要件定義、設計、実装、テスト)で関わるのかを具体的に説明します。チーム体制では、チームの人数、役割分担、コミュニケーション方法(チャットツール、定例MTGなど)を記載し、働き方については、リモートワークの頻度、フレックスタイムのコアタイム、残業時間の実績を開示することが求められます。さらに、スキルアップ支援として、書籍購入補助、勉強会への参加支援、資格取得支援制度の有無を明示することも効果的です。
さらに、技術ブログや登壇資料、社員インタビューなどを通じて、採用ブランディングを強化することも極めて有効です。自社のエンジニアがどのような課題に挑戦し、どのように成長しているのかを発信することで、候補者は入社後の姿を具体的にイメージでき、共感を抱きやすくなります。
解決策⑤:採用ターゲットに合わせた最適な手法を選定する
課題⑤「採用チャネルが多様化しており幅広い採用ノウハウが求められる」 という現状に対応するためには、画一的な手法に頼るのではなく、採用ペルソナに合わせて複数の採用チャネルを戦略的に組み合わせることが求められます。
| 採用手法 | 特徴 | こんな企業におすすめ |
| 求人広告 | 多くの求職者に一括でアプローチできる。 | 知名度があり、ポテンシャル層を含め幅広く募集したい企業。 |
| ダイレクトリクルーティング | 企業側から候補者に直接アプローチできる。転職潜在層にもリーチ可能。 | 求める人材要件が明確で、能動的に採用活動を行いたい企業。 |
| 人材紹介 | 専門のエージェントが要件に合う人材を探してくれる。 | CTO候補などハイクラス人材や、即戦力をピンポイントで探したい企業。 |
| リファラル採用 | 社員や元社員の紹介を通じて採用する。 | 社員のエンゲージメントが高く、カルチャーフィットを重視する企業。 |
| SNS採用 | X(旧Twitter)やGitHubなどを通じて情報発信し、候補者と繋がる。 | 長期的な視点で、採用ブランディングやタレントプール形成に取り組みたい企業。 |
これらの手法にはそれぞれメリット・デメリットがあります。自社の採用目標や予算、ターゲットとするエンジニアがどのプラットフォームにいるのかを考慮し、最適な組み合わせ(チャネルミックス)を設計することが、課題⑥「採用コストの高騰」 の抑制にも繋がります。
解決策⑥:カジュアル面談と迅速レスポンスでミスマッチ防止
課題⑦「入社後のミスマッチにより定着率が低い」 ことを防ぐには、選考プロセスにおける候補者とのコミュニケーションの質と量が鍵となります。
選考・面接の前にカジュアル面談の機会を設けることは非常に有効です。これは、合否を判断する場ではなく、お互いを理解するための情報交換の場です。現場のエンジニアが対応し、仕事のリアルな内容、チームの雰囲気、そして時には企業の課題や過去の失敗談まで率直に話すことで、候補者は透明性の高い情報を得られ、信頼感を抱きます。企業側も、候補者の人柄や志向性を深く理解でき、相互の期待値調整が可能になります。
また、優秀なエンジニアは複数の企業からアプローチを受けているため、選考プロセスのスピードは極めて重要です。書類選考の結果通知や面接日程の調整が遅れるだけで、候補者の志望度は下がってしまいます。社内の連携体制を強化し、応募から内定まで、迅速かつ丁寧な対応を徹底することが、他社との競争において優位に立つための重要な要素です。
解決策⑦:採用代行サービス(RPO)を活用する
「そもそも社内に採用ノウハウがない」「採用担当者のリソースが足りない」といった根本的な課題を抱えている場合は、エンジニア採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)サービスを活用することも有力な選択肢です。
RPOは、エンジニア採用市場を熟知した専門家が、採用戦略の立案から求人票の作成、スカウト配信、候補者との日程調整、効果測定まで、採用プロセスの一部または全部を代行してくれるサービスです。専門的な知見を活用することで、自社だけではアプローチできなかった候補者層にリーチできたり、採用活動全体の効率化と質の向上を図ったりすることが可能です。採用担当者は、面接や内定者フォローといったコア業務に集中できるため、結果的に採用力の強化とコスト削減の両立が期待できます。
エンジニア採用におすすめの採用手法5選
採用チャネルが多様化する中、どの手法を選べば良いのか迷うことも多いでしょう。ここでは、エンジニア採用において特に有効とされる5つの採用手法について、それぞれの特徴と活用シーンを解説します。

1. 求人広告|幅広い層にアプローチできる
求人広告は、転職サイトや技術者向けの専門メディアに求人情報を掲載し、応募者を募る最も一般的な手法です。多くの求職者の目に触れるため、ポテンシャル層を含めた幅広い母集団を形成したい場合に有効です。特に、企業の知名度が高く、ブランド力がある場合は、多くの応募が期待できます。ただし、応募を待つ「受け身」の手法であるため、他の手法と組み合わせることが重要です。
2. ダイレクトリクルーティング|転職潜在層にアプローチできる
ダイレクトリクルーティングは、企業がデータベースなどから自社の要件に合う人材を探し出し、直接スカウトを送る「攻め」の採用手法です。今すぐの転職は考えていないが「良い機会があれば」と思っている転職潜在層にもアプローチできるのが最大のメリットです。候補者一人ひとりに合わせたアプローチができるため、ミスマッチが少なく、質の高い採用に繋がりやすいのが特徴です。
3. 人材紹介(エージェント)|ハイクラス・即戦力採用に強い
人材紹介は、専門のコンサルタント(エージェント)が、企業の採用要件に合った人材を探し出し、紹介してくれるサービスです。特に、CTO(最高技術責任者)候補やマネジメント層といったハイクラス人材や、特定のスキルを持つ即戦力エンジニアをピンポイントで探したい場合に非常に有効です。成功報酬型のため初期費用はかかりませんが、採用決定時のフィーが高額になる傾向があります。
4. リファラル採用|コスト削減とミスマッチ防止
リファラル採用は、自社の社員や元社員に、友人や知人を紹介してもらう採用手法です。紹介者を通じて、候補者は社風や働き方についてリアルな情報を得られるため、入社後のミスマッチが起こりにくいという大きなメリットがあります。また、広告費や紹介料がかからないため、採用コストを大幅に抑えることが可能です。制度を成功させるには、社員が自社に愛着を持ち、積極的に紹介したくなるような魅力的な組織であることが前提となります。
5. 採用代行サービス(RPO)|専門知識と工数削減を両立
採用代行サービス(RPO)は、採用のプロフェッショナルが、採用戦略の立案から実務までをトータルでサポートしてくれるサービスです。社内にエンジニア採用のノウハウがない、あるいは採用担当者のリソースが不足している場合に特に有効です。専門家の知見を活用することで、採用活動全体の質を向上させながら、採用担当者は面接などのコア業務に集中できます。長期的に見れば、社内に採用ノウハウを蓄積していくことにも繋がります。
エンジニア採用を成功させるための5つのポイント
これまで解説してきた課題解決策と採用手法を踏まえ、最後にエンジニア採用を成功に導くために特に重要な5つのポイントをまとめます。

ポイント①:ワークスタイルを多様化し柔軟な働き方を整備する
現代のエンジニアにとって、働き方の柔軟性は企業を選ぶ上で極めて重要な要素です。フルリモートやハイブリッドワーク、フレックスタイム制度などを導入し、エンジニアがパフォーマンスを最大限に発揮できる環境を整えることは、採用における強力な競争優位性となります。
ポイント②:採用ブランディングで自社の魅力を発信する
給与や待遇といった条件面だけでなく、「この会社で働くことでどのような成長ができるのか」「どのような面白い課題に挑戦できるのか」といった、エンジニアの知的好奇心や成長意欲を刺激する魅力を発信することが重要です。技術ブログや勉強会、SNSなどを通じて、自社の技術力やカルチャーを継続的に発信し、ファンを増やしていく採用ブランディングの視点を持ちましょう。
ポイント③:複数の採用チャネルを組み合わせて活用する
単一の採用手法に依存するのではなく、採用ターゲットやフェーズに合わせて複数のチャネルを戦略的に組み合わせることが、採用成功の確率を高めます。例えば、広く母集団を形成するために求人広告を使いつつ、ピンポイントで欲しい人材にはダイレクトリクルーティングでアプローチするなど、相乗効果を狙った活用が効果的です。
ポイント④:現場のエンジニアと連携して採用活動を行う
採用は人事部門だけの仕事ではありません。候補者のスキルを最もよく理解し、仕事の魅力を最もリアルに語れるのは、現場のエンジニアです。求人票の作成から技術面接、カジュアル面談まで、あらゆる場面で現場を巻き込み、全社一丸となって採用活動に取り組む体制を構築しましょう。
ポイント⑤:PDCAサイクルを回して継続的に改善する
エンジニア採用市場は常に変化しています。一度成功した方法が、明日も通用するとは限りません。「どのチャネルからの応募が多かったか」「スカウトの返信率はどうだったか」「面接の通過率はなぜ低いのか」といったデータを常に分析し、仮説を立て、実行し、検証するPDCAサイクルを回し続けることが、持続的に採用を成功させるための鍵となります。
まとめ
本記事では、2025年の最新動向から、エンジニア採用が直面する社会的な背景、企業が抱える具体的な課題、そしてそれらを乗り越えるための解決策と成功事例を網羅的に解説しました。
エンジニア採用の課題は多岐にわたり、一朝一夕に解決できるものではありません。しかし、自社の課題を正確に特定し、市場の動向を理解した上で、本記事で紹介したような戦略的なアプローチを一つひとつ実践していけば、必ずや採用成功への道は開けます。
重要なのは、従来のやり方に固執せず、候補者であるエンジニアの視点に立って、自社の魅力を見つめ直し、伝え方を工夫し、採用活動全体を継続的に改善していくことです。この記事が、貴社のエンジニア採用を成功に導く一助となれば幸いです。

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