27卒採用の勝ち筋とは?最新調査から見る新卒採用成功のポイント【人事・経営者必見】

最終更新日:2025年12月17日

2027年卒業予定の学生(27卒)を対象とした新卒採用市場は、これまでにない大きな変化の波に直面しています。少子化に伴う学生数の減少、採用活動のさらなる早期化、そして学生の価値観の多様化など、企業の人事・経営者の皆様にとっては、従来の採用戦略のままでは優秀な人材を確保することがますます困難になっています。

本記事では、最新の調査データに基づき、27卒採用市場の動向を徹底解説するとともに、厳しい採用競争を勝ち抜くための具体的な「勝ち筋」を3つのポイントに絞ってご紹介します。自社の採用活動に課題を感じている方、これから27卒採用の準備を始める方は、ぜひご一読ください。

目次

27卒採用市場の最新動向と3つの重要トレンド

まずは、27卒採用市場で今何が起きているのか、押さえておくべき3つの重要なトレンドを見ていきましょう。

トレンド1:さらなる早期化と採用直結型インターンシップの本格化

27卒採用の最大のキーワードは「早期化」です。多くの企業が大学3年生の夏前にはインターンシップを開始し、優秀な学生との早期接触を図っています。特に、2025年卒から本格的に解禁された「採用直結型インターンシップ」の影響は大きく、インターンシップが事実上の選考プロセスの一部として機能するケースが増えています。

実際に、ある調査では、中堅企業の約4割が27年卒採用の面接開始時期を「早める」と回答しており 1、この流れは今後さらに加速することが予想されます。のんびりしていると、気づいた頃には優秀な学生は他社に囲い込まれてしまっている、という事態になりかねません。

採用直結型インターンシップとは、2週間以上の実務体験を通じて、学生の適性や能力を見極め、そのまま採用選考につなげることができる制度です。これにより、企業は早期に優秀な人材を確保できる一方、学生にとっても入社後のミスマッチを防ぐことができるというメリットがあります。

トレンド2:学生の「企業選びの軸」の変化

かつては企業の「安定性」や「将来性」が重視される傾向にありましたが、近年の学生はより多様な価値観で企業を選ぶようになっています。25卒学生を対象とした調査では、企業を選ぶ際に重視する点として「給与・待遇が良い」(46.7%)が最も多く、次いで「将来性がある」(42%)、「福利厚生が充実している」(31.8%)が続きました 2。

順位企業を選ぶ際に重視する点(25卒以降)割合
1位給与・待遇が良い46.7%
2位将来性がある42.0%
3位福利厚生が充実している31.8%
4位大企業である30.7%
5位希望の勤務地で働ける26.2%

一方で、内定受諾の最終的な決め手としては、「自分のやりたい仕事ができる」(15.8%)、「社員や社風が魅力的である」(10.3%)といった項目が上位に挙がっています 2。これは、学生が企業を選ぶ初期段階では待遇などの「条件」を重視しつつも、最終的には仕事内容や働く環境といった「ソフト面」で入社を決断していることを示唆しています。

つまり、企業は「条件面」で候補に残りつつ、「仕事内容」と「社風」で最終的に選ばれるという二段階の選考を学生から受けているのです。この構造を理解することが、採用戦略を立てる上で非常に重要になります。

トレンド3:「面接」と「インターンシップ」が志望度向上のカギ

数ある採用プロセスの中で、学生の志望度に最も大きな影響を与えているのは何でしょうか。調査によると、それは「面接」(22.1%)と「インターンシップ」(20.0%)でした 2。かつて重要視されていた「会社説明会」のインパクトは相対的に低下しており(12.5%)、企業と学生の双方向のコミュニケーションが取れる場が、学生の心を動かす上で極めて重要になっていることがわかります。

順位志望度が最も高まった場面割合
1位面接22.1%
2位インターンシップ20.0%
3位会社説明会12.5%

特に面接においては、「話をしっかり聞いてくれた」(32%)、「リラックスできる環境を整えてくれた」(28.7%)、「面接中に褒めてもらえた」(23.8%)といった、学生一人ひとりに向き合う姿勢が高く評価されています 3。

逆に、面接後に辞退した理由として最も多かったのは「面接官の態度から、学生にしっかり向き合っていないと感じた」(48.5%)でした。面接官の対応一つで、せっかくの優秀な候補者を逃してしまうリスクがあることを、人事担当者は肝に銘じておく必要があります。

なぜ今、採用戦略の見直しが急務なのか?

こうしたトレンドを踏まえると、なぜ今、多くの企業が採用戦略の根本的な見直しを迫られているのかが見えてきます。

候補者数の減少と採用競争の激化

言うまでもなく、少子化の影響で新卒採用の候補者となる学生数は年々減少しています。特に理系学部の学生数も減少傾向にあり、エンジニアや技術職の採用はますます厳しくなっています。一方で、企業の採用意欲は依然として高く、特に優秀な人材を巡る競争は激化の一途をたどっています。限られたパイを奪い合う中で、旧来の画一的な採用手法では、学生に自社の魅力が届きにくくなっています。

また、採用企業の拡大・強化も進んでおり、採用人数の増加や採用予算の拡大を計画している企業が増えています。このような環境下では、「待ちの採用」から「攻めの採用」への転換が不可欠です。

学生の情報収集行動の変化

現代の学生は、就職情報サイトだけでなく、企業のホームページ、SNS、口コミサイトなど、多様なチャネルを駆使して情報収集を行います。調査によると、企業研究において最も活用されているのは「会社ホームページ」であり、次いで「会社説明会」となっています 2。

企業側からの一方的な情報発信だけでは不十分であり、学生が求める情報を、求めるタイミングで、適切なチャネルを通じて提供していく「候補者体験(Candidate Experience)」の視点が不可欠です。特に、学生は「自分への理解・熱意」よりも「情報量と効率性」を重視する傾向があり、選ぶ側としての自覚を持って就職活動に臨んでいます。

「効率性」を重視する学生への対応

候補者の減少、競合の強化、採用の早期化により、学生は「採用の効率性」を重視するようになっています 3。学生は「条件」で候補企業を絞り、入社の決め手は「仕事内容と社風」で判断し、その判断の場は「面接」と「インターン」であるという構造を理解することが重要です。

27卒採用を成功に導く3つの「勝ち筋」

それでは、これらの厳しい状況を乗り越え、27卒採用を成功させるためには、具体的に何をすべきなのでしょうか。本ホワイトペーパーでは、その「勝ち筋」を3つに集約して解説しています。

勝ち筋1:候補者体験(CX)を最大化する「徹底した採用ツール整備」

学生が最初に企業と接点を持つ採用ホームページやパンフレット、SNSなどの採用ツールは、いわば企業の「顔」です。これらの情報が古かったり、学生が求める情報が掲載されていなかったりすると、その時点で候補から外されてしまう可能性があります。

採用ページの刷新、採用動画の作成、社員インタビュー記事の充実など、学生の視点に立って「知りたい」と思える情報を網羅的に整備することが、採用成功の第一歩です。具体的には以下のような施策が効果的です。

採用ツール整備の具体的施策

・採用ページの拡充・切替え

・採用動画の作成(社員インタビュー等)

・採用パンフレット・エントリーブックの刷新

・採用記事・SNSの運用強化

・HR-DXの導入による業務効率化

特に重要なのは、「会社の魅力」「仕事の魅力」「人材の魅力」「待遇の魅力」の4つの観点から、自社の強みを明確に言語化し、発信することです。採用競合との明確な立ち位置の違いを打ち出せていない企業は、学生から選ばれにくくなっています。

勝ち筋2:学生の心を掴む「候補者主導型の面接」

前述の通り、面接は学生の志望度を大きく左右する重要なプロセスです。企業が学生を「評価・選別する」という姿勢ではなく、学生が自社を「見極める」場であると捉え、対話を通じて相互理解を深める「候補者主導型」の面接へと転換することが求められます。

具体的には、面接官のトレーニングを徹底し、学生の話を傾聴する姿勢や、自社の魅力を的確に伝えるスキルを向上させることが重要です。特に、現場で働く社員が面接に加わることで、仕事のリアルな魅力を伝え、学生の入社意欲を高める効果が期待できます。

候補者主導型面接のポイント

従来の面接候補者主導型面接
見極め中心グリップ(惹きつけ)中心
一方的な質問傾聴・承認・称賛
緊張感のある雰囲気リラックスできる環境
人事担当者のみ現場社員も参加

面接評価表の正式導入や、現場担当部署の面接への参加(リクルーター制度)、面接官育成プログラムの実施など、組織的な取り組みが求められます。「全社員で採用する」という意識を醸成することが、採用成功の鍵となります。

勝ち筋3:入社後の活躍を見据えた「選考体験向上のためのIS(インターンシップ)対応」

インターンシップは、もはや単なる仕事体験の場ではありません。学生にとっては、その企業で働くイメージを具体的に掴むための絶好の機会であり、企業にとっては、自社の魅力を深く理解してもらい、入社意欲を高めてもらうための重要なステージです。

調査によると、インターンシップに申し込む際に学生が重視する点は、「プログラム内容の詳細が記載されていること」(83.3%)、「本選考での優遇が期待できること」(80.0%)、「参加後にフィードバックを受けられること」(60.6%)となっています 3。

インターンシップで重視される要素(25卒以降)

順位重視する点割合
1位プログラム内容の詳細が記載されていること83.3%
2位本選考での優遇が期待できること80.0%
3位学業に支障が出ないこと(両立できること)78.5%
4位実践的な仕事を経験できること73.3%
5位参加後にフィードバックを受けられること60.6%

「事業内容に興味が湧いた」「職場の雰囲気が良かった」と感じてもらえるような、実践的なプログラムを設計することが重要です。また、参加後の丁寧なフィードバックは、学生の満足度と志望度を大きく向上させます 。

インターンシップの満足度に影響を与える要素として、「若手社員との交流会」と「グループワーク(企画立案、課題解決、プレゼンなど)」が特に効果的であることがわかっています。満足している企業と満足できていない企業では、これらのプログラムの実施率に10ポイント以上の差が見られました。

まとめ

本記事では、27卒採用市場の最新動向と、それを勝ち抜くための3つの「勝ち筋」について解説しました。採用の早期化、学生の価値観の変化といった大きな潮流の中で、企業はこれまで以上に戦略的な採用活動を展開していく必要があります。

27卒採用成功のための3つの勝ち筋

1.徹底した採用ツール整備:学生が求める情報を網羅的に発信し、候補者体験を最大化する

2.候補者主導型の面接実施:見極めからグリップへ、学生に寄り添う面接で志望度を高める

3.選考体験向上のためのIS対応:実践的な体験と丁寧なフィードバックで入社意欲を醸成する

今回ご紹介した内容は、そのほんの一部に過ぎません。ご提供するホワイトペーパーでは、さらに詳細なデータや具体的なアクションプランを、【企業編】【学生編】の2つの視点から、合計約70ページにわたって徹底解説しています。

こんな方におすすめ

・27卒採用の最新トレンドをより深く理解したい方

・競合他社に差をつける具体的な施策を知りたい方

・インターンシップや面接の質を向上させたい方

・採用活動の早期化に対応したスケジュールを立てたい方

・自社の採用課題を明確にし、改善策を検討したい方

このようにお考えの人事・経営者様は、ぜひこの機会に下記より資料をダウンロードいただき、自社の採用戦略のヒントとしてご活用ください。

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